今後のべっ甲ピックについて

来年もべっ甲ピックがあるかどうかわかりません。

長崎には鼈甲の組合が2つあります。
その組合にそれぞれ鼈甲職人が組合員として所属しており、その組合より原料を入手しています。

鼈甲の原料を業者が出品してそれをセリで高値を付けた職人が購入しています。
そのセリに出てくる原料には、厚みや柄で値段が決まります。
もちろん、綺麗な柄で厚みがある原料が一番人気がありますので、そういう原料ほど高値になります。

ピックに使うような薄い1.5mmや2.0mmなどの「うす甲」と呼ばれる原料は、3.0mmや5.0mmなどと比べると安く取引されますが、市場になかなか出品されません。

なぜ、うす甲が出品されないか?

なぜ、市場にうす甲が出品されないかと言えば、うす甲を使う商品(職人)が少なくなったからなのです。

アクセサリーや眼鏡、置物などを作る職人は厚い原料が必要で薄い原料は使い勝手が悪いため敬遠されます。昔はうす甲を使ってアクセサリーを大量に作る職人もいたのですが、現在はそんな職人もいなくなり誰も市場でも買わなくなりました。

業者も、そんな売れない原料を出品するよりも売れる原料を出品したほうがお金になるので市場にはうす甲はほとんど出なくなりました。

当社が作ってもらっている職人から聞いた話では「今年は1枚もうす甲は出品されていない」とのことです。

うす甲がなければピックはできない。

べっ甲ピックは厚い原料でも作ることはできますが、うす甲がないと作ってもらえません。
理由は簡単、原価が安いためです。

ピックは高くても1枚数千円(本ツメ除く)、アクセサリーや置物などは、物によっては1個数十万円にもなりますし、工賃を高くとれるので厚い原料はすべてそちらに使われます。

要は、職人はピックを数百枚作るより置物を1個作ったほうが儲かるために厚い原料をつぶしてまでピックを作ってくれないということです。
まあ、職人を責めても、原料が枯渇している現在、儲かる置物にいくのは致し方ないのです。

なので、うす甲が手に入らない限り、ピックは作ってもらえません。

原料の価格は徐々に上がっている

毎年、取引される原料の価格は上がっていますし、今年になってからも上がっています。
なので、現在1枚1500円売りですが、来年1500円で売れるかどうかもわかりません。

今回、同じ値段で作ってもらっているピックも次回は「原料が上がったから同じ価格じゃ無理」と言われるかもしれません。
今月と来月の仕入れる原料の価格が同じと決まっているわけじゃないからです。

でもこれだけはわかっています。
絶対、下がらないということです。

職人は「できる限り作ってあげるけど、原料次第だからその時はあきらめてくれ」と言われています。

「正直、来年まで持てばいいかな?」と思っています。
今のピックの値段が上がるようなことになればちょっと考えます。

1枚3000円でも買っていただけますか?

早めの購入をお願いします。

そういう理由でべっ甲ピックの購入は早めにお願いします。
今月で突然閉鎖するということはないと思いますが、来月で閉店しますということは今後あると思ってください。

出来る限りピックを売りたいのですが、原料がないと作れません。
もう、そこまで限界が近づいていることだけは残念ですが事実です。